こんにちは!
『読みたいことを、書けばいい。』このタイトルを見た瞬間、その表紙のデザインと合わせてなんとシンプルな言葉だろうと思いました。
わたしは普段ブログで記事を書くにあたって、より分かりやすく、読みやすいライティングを目指しているものの思い通りにできず悩むことも多かったのです。
そんな時に出会った 田中泰延(たなか ひろのぶ)氏の著書『読みたいことを、書けばいい。』
頭の中にちょっとした衝撃をもたらしたこの本を紹介していきます。
まず第一に、わたしはこの本が好き。
それを前提に
- おすすめできないブロガー
- おすすめできるブロガー
に分けて書いています。
もしあなたが「おすすめできるブロガー」ならば、迷わずこの本を手にとってみることをおすすめします!
著者 田中 泰延(たなかひろのぶ)について
1969年10月23日生まれのてんびん座。
「電信電話記念日」(東京と横浜の間で、公衆電信線の建設工事がはじまったことにちなむ記念日)に生まれた田中氏は、早稲田大学を卒業後、株式会社 電通に入社します。
電通在籍時にはコピーライターや、CMプランナーとして仕事をするかたわら、ウェブサイト「街角のクリエイティブ」の映画評論を依頼されたことがきっかけでライター業をはじめました。
その後も数々のコラムを執筆し2016年には電通を退社。
2019年6月に初の著書『読みたいことを、書けばいい。』を発売。
自身を「青年失業家」と名乗っていますが、わたしは「いやいや、めっちゃすごい人っ!」って感じましたよ、田中さん。
おすすめできないブロガー
この本には「人生が変わるシンプルな文章術」という何とも魅力的なサブタイトルがつけられています。
そして、「おぉ~!そんな文章術身につけたい!」と思ったあなた。
そんなあなたにはこの本はおすすめ…できません。
なぜなら、書くためのテクニック本ではないから。著者も文中でそのように述べています。
わたし自身大満足で読み終わったものの、Amozonのレビュー欄を見ると賛否両論。
星5つの大絶賛の人もいれば、星1つの人も。
「この本は好き嫌いが完全に分かれるタイプの本なのか」とそこではじめて気づいたのです。
星1つのレビューには
- 余白がすごく多いし、文字も大きい。
(読みやすく、大事な部分がわかりやすいとわたしは思う。) - 無駄な記述を徹底的に排除したと書かれている割に、1年前に買ったファスナーで閉じる細長いタイプの財布について他、数々の記述。
(わたしは田中氏のユーモアのセンスに脱帽)
など手厳しい意見も見かけましたが、これらの人は「人生が変わるシンプルな文章術」に期待された方々でしょう。ごもっともな意見です。
そんなミスマッチをおこさない為に最初におすすめできないブロガーさんをお伝えしました。
この本は主に、文章を書くための考え方や、その楽しさや苦しさについて書かれています。
要約すると
- ネットで読まれている文章の9割は「随筆」
- 随筆とは「事象と心象が交わるところに生まれる文章」
- ライターは調べることがほとんどすべて
- 調べるときは一次資料に当たる(図書館の利用)
- 書く形式は起承転結
- 5W1Hに基づいて書く
ということなのですが、わたしはこの本の真髄は別のところにあると思っているので、
以下の「おすすめできるブロガー」を読んで少しでも当てはまるところがあれば、ぜひ読んでいただきたいと思います。
おすすめできるブロガー
わたしの思う、この本をおすすめできるブロガーさんは以下のような人です。
- ブログやSNSを見て、みんな同じような形式で目新しさがないと感じる
- ライティングのHow to本をたくさん読んだがコレという方法が見つからない
- そもそも何で文章を書いているんだっけ?
つまり、文章を書くことに悩んでいるけど、素直になれないちょっと天邪鬼なあなた。ということになります。
一見無駄とも思えるユーモア満点の文章を挟みながら、文章を書くことの本質を教えてくれるこの本を読み終えたあなたは、「今すぐブログ書きたい!」という気持ちになっていることでしょう。
確かに著者はブロガーではありません。
ペルソナ設定など必要ない!などこれまでに学んだことを否定するようなことも言っていますし、5W1Hの原則に基づいて書くと言いつつも、最後までそれを意識していなかったと言うのです。
つまり、24年間電通のコピーライターとして仕事をしてきた著者にとっては既にそれは無意識の領域なのかもしれませんね。
経験のないわたしたちはすべてを鵜吞みにしてはいけません。
これまでに学んだ基本は押さえておくべきだと思っています。
しかし、著者の言うことに頷くことがたくさんあるのも事実です。
あなたが文章を書く目的はお金を稼ぐことであったり、認めてもらいたいという気持ちなど様々ですよね。
例えばお金を稼ぎたい = 家族を楽にさせたい = 楽になった家族をみると自分が嬉しい というように、結果的に「自分のため」であることが基礎となっていると思うんです。
そんな自分が(文章を書く苦しみはあるにしろ)「読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。」という言葉には何回も頷いてしまいました。
このように大きく頷き、新たな発見がたくさんあるというのがこの本の特徴です。
「自分」という最大のペルソナ設定かもしれませんね!
最後にこの本の中で一番いいなぁと思った部分を引用させていただきます。
あなたは世界のどこかに、小さな穴を掘るように、小さな旗を立てるように、書けばいい。すると、だれかがいつか、そこを通る。
書くことは世界を狭くすることだ。しかし、その小さななにかが、あくまで結果として、あなたの世界を広くしてくれる。
『読みたいことを、書けばいい。』第4章 なぜ書くのか より
おわりに
最後まで触れていませんでしたが、この本には「文章術コラム」が3つ掲載されていてそれがなかなか実用的でおもしろいのです。
その中でも履歴書の書き方について書かれているコラムが興味深かった!
主に就活生を対象とした、エントリーシートの書き方や面接対策が書かれているので、大学生には特に読んでほしい内容です。
著者ほど思い切ったエントリーシートを書くことは難しいかもしれないけど、「相手に尋ねさせることが大事」ということを念頭に置くだけで、就活への姿勢が変わるのではないかと思います。
文章を書くためのHow to 本ではないけど、ちょっと違う角度から文章に向き合ってみたい人には星10個つけておすすめできる内容なので、ぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。